本紙で2度取り上げたことのある、この「生命保険金等請求事件」(東京地裁。提訴は07年4月。原告は「中田建設工業」)、改めて概略を述べるとーー。
原告は、生保3位の被告「明治安田生命」(松尾憲治社長。生保協会長も=下写真。東京都千代田区)に加入していたところ、原告前社長は01年4月に死去した。ところが、痛風治療の告知をしていなかったとして被告に不払い(約4900万円)とされた。
だが、原告前社長が痛風治療を受け出したのは保険加入(95年2月)より後の96年12月。本来、問題ないはずだ。
今回、問題となったのは、原告の経営が厳しいことから、原告は担当生保レディーに月々の支払い保険料の減額を相談。結果、それまでの月4万5000円から3万2000円に減額された。
ただし、生保レディーは単純な減額はできないと説明。そこで、これまでの契約は解約され、新規に入り直していた。その時期は、痛風治療開始より後の99年11月。そのため、「告知義務違反」を理由に不払いとされたのだ。
だが、被告も認めるように単純な減額はできた。では、なぜわざわざ入り直したのか。
被告は「原告は解約返戻金(41万円)が欲しかった」旨の主張。これに対し、原告は「単純減額できないと虚偽説明された。出来るとわかっていたら、(解約返戻金はない)単純減額していた」旨の主張。本来なら、言った、言わないの堂々巡りとなる。
だが、本件では、提訴前、原告が担当生保レディーを呼び、これまでの経緯を確認していた(録音テープや、言った、言わないの項目別に○を付けさせた「確認書」も存在)。
それを聞く限り、確かに生保レディーは単純減額できない旨の発言をしている。
本来、その真偽を巡り、その生保レディーが証人出廷するところ、体を壊しているということで書面による尋問となった。
では、いったい、どんな主張をして来たのか。本紙はそのコピーを入手した(以下に一部転載)。
(冒頭写真=「日経」08年8月2日記事)