昨年11月にロシアのメドヴェージェフ大統領が国後島を訪問し、ロシアによる北方領土の「実効支配」がさらに強まった印象の領土問題。外交交渉は行き詰まったままだ。
こうしたなか、今年2月にはロシア軍の軍備増強方針が明らかにされ、その詳細が注目されていた。そして10月13日になり、ロシア国防省の高官が、北方領土を含む千島列島に対空ミサイル(冒頭写真)や戦車大隊を配備したことを明らかにした。
ところがその報道は、たった200字程度の小さなものばかり。大手メディアで報じたのは朝日、東京、産経のみで、それも共同通信からの転用記事だ。しかも朝日はネット配信のみだった。北方領土における軍備増強は外交的にも重大事のはずだが、大手メディアがまったく独自取材をしていないのはなぜなのか。