木村剛氏(=下写真。51)といえば、日銀を経て02年、小泉内閣の経済財政政策・金融担当大臣だった竹中平蔵氏の下、金融庁の顧問を務め、わが国大手銀行の不良債権処理に大ナタを振るった御仁。
バブル崩壊後の不況が続くなか、不良債権処理の先延ばしが大きな原因の一つとされ、大ナタは世に歓迎された。また03年から木村氏が提唱し、中小企業のための銀行設立準備を始めたことも当時は期待を集めた。
しかし、その高邁な理想の元に出来た「日本振興銀行」は不良債権の山で破たんしただけでなく、10年7月、木村氏自身、銀行法(検査の忌避)違反容疑で逮捕され、懲役年執行猶予3年の有罪となったのはご存じの通り。
その木村氏が、振興銀設立渦中の04年10月に設立し、金融経済月刊誌「フィナンシャルジャパン」を発行し出したのが、この9月11日、東京地裁から破産開始決定を受けていたことがわかった「ナレッジフォア」(東京都千代田区。横写真は入居していたビル。資本金5億3500万円)。負債総額は現在調査中。
設立時から木村氏が代表に就いていたが、09年6月、銀行法違反で捜査が始まるや木村氏は代表を辞任。その後の木村氏の逮捕、10年9月の振興銀の経営破たんなどで信用が失墜、この間の出版不況もあり、購読者数や広告収入の減少を招き、24年6月号を最後に雑誌は休刊していた。