それにしても、パチスロのメダル計数機製造最大手「オーイズミ」(6428。東証1部。神奈川県厚木市)はコンプライアンスの在り方をどう考えているのだろうか。
本紙が5月14日に報じたように、同社はパチスロ関連以外に、介護を新たな事業の柱にしようと医療法人を買収、約3300坪の土地も購入し病院を併設した高齢者施設を建設する計画を進めた。ところが、買収した医療法人に5億円もの“隠れ債務”があったことが判明。その一部支払いを迫られ、裁判になって計画が頓挫。それどころか、相手には反社の影さえ見え隠れするのだ。
大きな損失が出る可能性もあれば、信用失墜のリスクもあるのだから、この間、IRをして当然。ところがいま現在も何らIRしていない。
同社がこの関係でIRしたのはただ一度。12年8月30日、高齢者施設建設の基本計画を発表した時だけ(冒頭写真)。そこには「開業:平成26(14)年1~7月」と記されていたのだ。現在、すでにその開業予定より1年近く経ても何らIRしないのだから、上場企業としての基本的姿勢に疑問を感じないわけにはいかない。