アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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自主営業を続ける京浜ホテル従業員たち 失業の嵐の中で労働者の「希望の星」へ

 東京・品川駅の高輪口を降りた正面にあるのが、老舗の京浜ホテル(明治4年創業)。テレビ報道で知っている方もいると思うが、「京品実業」(小林誠社長)は同ホテルの廃業を決め、従業員を全員解雇している。
ところが、「一方的な廃業、解雇は認められない」と従業員が立ち上がり、労働組合「東京ユニオン・京品支部」を結成し、10月20日から実力で自主営業を開始している。 建物前では毎日、従業員や支援者が「廃業反対」の横断幕を掲げ、ビラをくばり、「京浜ホテルの存続を求める署名」を呼びかけている。同ホテル1階には“酒蔵 いの字”などの飲食店が軒をつらね、自主営業を続けている。
こうした事態に対し、京品実業側は、「建物を不法に占拠し無許可営業を続けており」「法治国家であることを否定するもの」であり、「当方から和解等の話をすることはありません」とし、非和解的に争う姿勢を見せている(京品ホテルホームページ「当社の今回の閉鎖に至るスキーム」より)。
そもそも同ホテルの営業利益だけを見れば、年間1億円程度の黒字だった。しかしバブル崩壊後、「小林社長の放漫経営」(組合作成のビラ)のおかげでホテル以外からの赤字が膨れ上がり、60億円の借金を抱えることになった。その借金に目をつけたのが、アメリカのファンド、リーマンブラザーズであった。リーマンブラザーズ証券が設立した債権買取の子会社「サンライズファイナンス」は、借金を免除する代わりに、ホテルの土地と建物の引渡しを経営陣に求めてきた。そのやり方を見れば“ハゲタカ・ファンド”の典型例であると言えよう。
ところが9月15日にリーマンブラザーズは破綻し、サンライズも後を追うように民事再生を申請する。こうしたなか、11月21日には、ホテルの土地と建物の売買契約をリーマンの仲介ですでに結んでいたLCホテルズから、売買契約の解消通知が届くに至っている。

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