アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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テレ朝「開票疑惑報道」の衝撃(3)ーー元市議、「票をトイレに流している」と証言

  連載最後の今回は、2回目の市幹部の疑惑などないとする根拠への、再反論の声を紹介しよう。 前回、当時の選挙管理事務局長・西川芳雄氏は、もし、票の拭き取りが行われたら、投票数と開票数に差が出るが(まず、一番最初に票の数を数えるから)、その数が「ぴったり合っているから」不正はないとした。 これに対し、この問題を追及してきた平川博文市議(写真左)は、禁止されている電卓の持ち込み、使用があり、この「電卓の持ち込みは、数字の整合性を作ることができないことはない」と発言した。 さらに重大なこととして、公開が原則の開票場で、衝立が置かれていた事実(写真中央。赤丸の職員が衝立=青色部分に隠れて、何からしている)を指摘した。 平川市議は誰がこんなものを置けと指示したのか質問したところ、市側からは「わからない」との返事しかなかったといい、「それで、ちゃんとやってましたといわれても疑念持たれるよ。ちゃんと説明しないと。あってはならないことだよ!」と語気を強めた。 そして、前回報告のように、入場禁止の助役や収入役が入り込み、電話や携帯電話をかけていた事実もあるなか、「この3役は、市長の直の任命者ですから、行政執行者の意に沿うようにどうしてもなるのではないですか」とも語った。 彼が本当に言いたかったのは、その開票作業を撮影した立候補者・米山元常氏が「白票と(落選させたい者の票を)替えて、トイレに流している」(写真右)可能性があるということではないのか。 要するに、落選させたい者の票を抜き取り、白票分を代わりに足す? これだと、票はぴったり合うわけだ。 その計算合わせのために電卓を使い(写真左)、特別職の者たちが電話や携帯電話で指示を出す……。 同番組では、習志野市のこの疑惑を持たれている市議選の場合、最低当選者の票数は1036票(次点は978票)、そして無効票が1190票で、同程度の人口の浦安市(600票)、八千代市(760票)より白票がかなり多い事実を述べていた。 さらに、匿名ながら、同市職員関係者を登場させ、「以前、開票場の外にあるトイレに、開票場から出て票を流しているという話を職員から聞いたことがある」との証言も紹介していた(写真中央)。 一方、番組スタッフは、開票場でポケットに何度も手を出し入れしたり(写真右)、ポーチに何か入れているなど不審な行動を取っていた者の名前を調べ、当時(2003年4月)の自宅を聞き出して一斉に取材をかけたが、「全員、家を替わっていて一人も会えなかった。偶然かも知れないが……」不思議なことが起きたとも述べていた。 同番組キャスターの大谷昭宏氏(ジャーナリスト)は、市や当時の市幹部が、高裁で「不正はない」との判決が出ているのをお墨付きのように上げている点につき、次のように疑問を呈していた。 「裁判所としては、紙(=票、の抜き取りなどの直の映像を)見たわけではないから、不正があったとは判断できない。しかし、我々から見れば、極めておかしい、極めて疑わしいと思うのは当然のことだと思います」 市側がキチンと説明責任を果たしていない以上、まったくその通りであろう。 そして、ここ千葉県習志野市でこういう疑惑が持ち上げっているということは、わが国のこの程度の投票数以下の市町村でも、わずかの票の入れ替えで当選が逆転し得るわけだから、同じような疑惑の行為があっても決して不思議ではないだろう。 来年の統一地方選挙で、同じような疑惑が出ないか、要注意だろう。 この大手メデイアでは唯一の報道、そしてこの間、様々な圧力にも屈せず、追及して来た方の努力を無駄にして欲しくないものだ(終)。…

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