「小糸製作所は我々地元(静岡工場がある)では絶対的存在。楯突いたらやっていけません。ですが、いくら何でもこれはひど過ぎます。それに、これまでも同じように優越的地位でもって、小糸からひどい目に会わされ泣き寝入りしている仲間はたくさんいると思います。そうした方のためにも、私はすべてを失うことになっても今回、告発することにしたのです」
こう語るのは、静岡市葵区でLED(発光ダイオード)照明機器製造会社「アムクルー」を経営する松永英人社長だ。
松永社長の告発相手は、いうまでもなく東証1部上場、年間売上高約5650億円(14年3月期予測)、“世界のトヨタ”が筆頭株主(20%)で、売上高の約5割がトヨタ向けという「小糸製作所」」(7276。東京都港区=冒頭左写真は本社ビル)のことだ。
対するアムクルーは従業員10数名、売上高十数億円の零細企業。しかし、同社は屈曲可能で、かつ耐震・耐水性に優れた薄型のLED面発光シート(商品名FLS)を開発(上写真)。この分野のパイオニアになり、09年1月末より発売を始めた。
すると、これに目を付けた小糸が「共同事業をしたい」と来社。そして12年3月、アムクルーと小糸共同で、アムクルーのFLS基礎特許に基づいた共同特許を出願するに至った。
ところが、それからほどない12年6月、小糸は一方的にアムクルーとの契約を破棄。関係を断っている。
松永社長はLED特許を盗まれたというが、どういうことなのか?
(*本紙では小糸についての同様ないし不正などの情報を求めます。[email protected]またはfax03-3203-3018へ)