アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<書籍紹介>『発達障害バブルの真相』(米田倫康著。萬書房)

 21世紀に入ってほどなく、うつ病などを診る“精神科”が“心療内科”などとソフトに呼ばれるようになると同時に患者(もどき)が急増、そして精神科医と製薬会社が大儲けしたことは、本紙・山岡は健康関連取材も多くしているので知っていた。 だが、この“うつ病バブル”が09年に衰えを見せると、代わって“発達障害バブル”が起き、現在までの10年ほどでこの手の薬の売上高が50倍以上になっているとはとんと知らなかった。 うつ病バブルの被害者は大人だが、本書のテーマである発達障害バブルの発達障害とは「生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害」とされ、まだ自分では判断できない子どもが患者とされ、薬漬けにされ、逆に障害を与えられ、あるいは重くされ、最悪、殺されるケースも少なくないというのだから、その深刻さはうつ病バブル以上と知り驚かされた。 筆者は、「市民の人権擁護の会」日本支部(東京都新宿区)代表世話役。東京大学(工学部)在学中から同会の活動に関わり、精神医療現場で起きている人権侵害の問題に取り組むなかで、現在、行政や議員、警察などとこの発達障害バブルの不正摘発に関わっているという。(下写真は抗うつ剤処方により12歳で自殺した少女。前出「市民の人権擁護の会」のビデオ広告より) しかも発達障害バブルでいえば、いつの間にか人口の6%が発達障害者という数字が1人歩きし、精神科医以上に教育現場の教師が子どもの特異な面を伸ばすのではなく、これを異常と見て発達障害と決めつけ患者作りに貢献しているというのだから実に恐ろしい。 これを後押ししているのが05年4月に施行された「発達障害者支援法」。早期発見が謳われ、そのために科学的ではないチェックリスト(大人びている、他の子どもが興味を持たないことに興味を持つ、いじめられっ子など)に基き教師がチェック。患者と判断されれば0歳児にも向精神薬が処方されるそうだ。 米国でも精神医学と製薬会社が猛威を振るうも保険会社と弁護士が強い抑止力として機能している。ところが、わが国ではそもそも医師の力が強い上、わが国精神医学会はドイツ医学の流れを汲むが、そのドイツでも決別したナチスのイデオロギーが生き、隔離収容主義、多剤大量処方、長期漫然処方が未だ罷り通っており、そんな国は他にないという。 いまも大きな社会問題として報道されている強制不妊手術と共通点があり、その状況は中世の魔女狩りにも似ているという。まさに衝撃の真相だ。 くれぐれも、あなたの子どもが発達障害だといわれ、安易に信じないように。 (定価=2000円+税)…

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