アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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負債4300億円ーー「安愚楽牧場」延命の陰にJAや農水官僚、族議員

 今年の大型倒産の一つに、和牛商法の元祖「安愚楽牧場」(栃木県那須塩原市)が挙げられる。負債は実に4300億円。今年8月に民事再生を申請したが認められず、破産手続きに移行している。
全国7万人以上が、年利10%という高配当を謳ったこの商法に飛びつき出資したが、破産手続きにより戻って来る配当は、利子がつかないどころか、出資金の数%と見られる。
この和牛商法、バブル崩壊後の低金利政策の下、90年辺りから続々登場。それを先取りし、最も古い81年12月に創業。そして最も大規模だった(9万頭以上)のが安愚楽だった。
すでに90年代半ば過ぎには多くの和牛商法を採用した牧場は経営破たん、ないしは事件化。和牛商法=詐欺商法であることが証明されたが、安愚楽だけは別格とされ、今年まで営業を続けて来ていた。
 だが、この安愚楽とて、公表されている分と実際に飼育していた和牛の数に大きな差があり(6割。横写真=「熊本日日新聞」12月1日記事)、しょせん程度問題で、同じく詐欺商法だった実態が明らかになって来ている。が、それにしても、同じ商法の別会社が完全に淘汰されるなか、なぜ、安愚楽だけがいままで持ち、出資者がそれなりに付いたのか!? それは安愚楽だけが別格だったからではなく、同社の陰にJA(農協)幹部や農水官僚、農水族議員が見え隠れするのだ。
(冒頭写真=安愚楽を推薦していた海江田万里代議士。『サンデー毎日』90年7月23日記事)

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