3月17日、東京都議会で、「東京都安全・安心まちづくり条例」の改正(改悪)に向けた審議が始まった。
この動き、一般紙ではまったくというほど報道されていない。だが、街頭における言論・表現の自由や、警察による管理強化の面で、決して見過ごすことのできない内容が含まれている。
現行の条例は2003年6月に成立した。この条例は一言でいえば、警察が主導して、地域・住民ぐるみの防犯体制を作るというもの。具体的には監視カメラの設置や、ボランティアの「自主的防犯活動」が推進されて来ている。
その条例が今、どう変わろうとしているのか。
もっとも懸念されるのが、街頭での言論・表現の自由を奪うことにつながりかねない点だ。
この2月9日に発表された「東京都安全・安心まちづくり有識者会議報告書」は、今回の改正の指針となるものだが、そこには、繁華街等の来訪者に対し「街頭や歩行者天国において大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為を慎む」とある。“多大な迷惑となるパフォーマンス等”とは非常に曖昧な概念で、いくらでも拡大解釈が可能だ。
(冒頭写真=2点ともイメージです)