長らく、下関市長は安倍元首相の“国家老”的存在で、地元の安倍事務所の支持を得なければ当選は無理だった。
ところが、今回、安倍事務所が推し、安倍元首相の「兄弟分」とまでいわれる友田有候補(51)は、約4万票しか取れなかった。これに対し、中尾氏は約6万以上という大差だった。
「2人とも自民党系で、当選した中尾氏を林芳正前防衛相が推した。だが、林氏はこの間、力を失い、衆議院から参議院に鞍替えし、安倍氏に恭順を誓った見返りに防衛相ポストにありつけたという感じだった。ところが、今回は裏で多くの安倍派市議も、地元建設会社も中尾氏の方を推していた。なぜかって? 政権をポイ投げし、すでに一丁上がりの安倍なんて本気で誰が推せます?」(地元の元安倍派後援者)
実は今回、選挙に先立ち大番狂わせがあった。
これまで4期務めて来た、安倍氏“国家老”だった江島潔前市長が、直前になって出馬を取り辞めたのだ。なぜか?