アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

裁判所(東京高裁)、顧客に虚偽報告書を渡していたと認定――で問われる、海外ファンド「インペリアル」今津雅夫元社長

 先に、破綻した海外投資ファンド「インペリアルグループ」(本部・英国)の元日本法人社長等を相手取った民事訴訟で、今年に入って2件、原告側(被害者側。個人と法人)が高裁で勝訴した事実をお伝えした。 もっとも、舞台が英語圏の海外であり、また投資資金はオランダやグレナダなどの銀行口座を行き来しているとされるが、司法当局でもない以上、その動きを追うことははなはだ困難ななか、どうやって被害者側は勝訴したのか、入手した1件の判決文(個人分)を紐解いてみたい。 鹿児島在住のS氏は総投資額ははるかに多かったが、訴訟の請求額は1100万円に止めた。それは、インペリアルが破綻し、管財人により同口座が凍結された後に投資した分だった。 実はこの1100万円を預かったグループの今津雅夫・日本代表(当時。写真)は、S氏に対し、その預かり資金を運用する会社の口座に、同額振り込まれているとする「着金報告書兼運用開始報告書」等を渡していた。 同報告書によれば、その1100万円を運用会社が受け取ったとされるのは2003年4月30日。だが、インペリアルの口座はそれより前、4月25日には管財人により凍結されていた。したがって、物理的に振り込みようがないのだ。 そこで裁判長は、その報告書は「虚偽の事実を記載したものだった」と認定した。  今津氏は「口座が凍結されたことは知らなかった」、「1100万円も、管財人が差し押さえて返却してくれない」等と主張していた。 だが裁判長は、今津氏は日本における事務手続き会社(この手の詐欺は、名目上は自分は代行したに過ぎないとして責任はない、自分も被害者と開き直るのが常套手段)代表だけでなく、インペリアルグループ本体の最高幹部の一人として、英国重大不正監視局に一時身柄拘束されていた事実(もっとも刑事訴追は受けていない)、また、破産管財人等がそもそも同グループは謳っていた投資先に運用しておらず、「投資家の損失は(運用失敗ではなく)詐欺によるものである」との報告書を作成していることなどを重視。 したがって、問題の1100万円を今津氏が引き出した事実、さらに当時、管財人により口座凍結になっていた事実を今津氏が知っていた証明はされていないが、それでもS氏に対する「不法行為を構成する」とした。  一方、こうした判決を受け、東京の別のS氏が警視庁に告訴状を提出し直す動きが出ている。 こちらのS氏は約1年前、詐欺罪で今津氏を訴えたものの受理になっていない。だが、その訴状等によれば、こちらのS氏の告訴内容も、総投資額は1億円近くにも上るが、やはりインペリアル破綻、口座凍結後に2000万円を追加させられた点に限っている。 しかもこちらの場合、2000万円預けた数日後、口座凍結の事実を知ったS氏は今津氏に直談判に及び、「私の勘違いでした。全額返済します。少々お時間を下さい」と回答があったものの、いっこうに返済がないので再度、要求したところ、弁護士名で、「返済義務はない」と以前と異なる返事をよこしており、返済意思がない以上、罰して欲しいとして、この間の民事とはいえ、以上述べて来た事実、英国当局の動きや管財人報告書等の事実も勘案し、再度、受理して欲しいと要請するということだ。 いずれにしろ、こうして検討して来ると、今津氏が限りなく灰色であることは間違いないだろう。…

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