何かと物議を醸している靖国神社。境内にある戦史博物館「遊就館」もA級戦犯合祀と並行して、かつての“大東亜共栄圏”を肯定するような展示が目立つようになったとして同様、物議を醸しているが、そこに持って来て、この8月末、靖国神社が遊就館の展示物について大幅な記述変更したことを巡ってまた問題になっている。
変更箇所は「ルーズベルトの大戦略」と題す展示物コーナーの、第2次世界大戦での米国の戦略に関する以下の記述部分。
「(ルーズベルト米大統領は)資源の乏しい日本を禁輸で追いつめ、開戦を強要。参戦によってアメリカ経済は完全に復興した」
8月20日付の米紙『ワシントンポスト』は「唾棄すべき安っぽい論議」との論文を掲載。これはアーミテージ前米国務副長官の発言を受けてのこと。
これに呼応するように、元駐タイ大使の岡崎久彦NPO法人岡崎研究所所長が『産経新聞』(8月24日)に「遊就館から未熟な反米思想を廃せ」と寄稿。同日、靖国神社は“修正”すると発表、今後、記述だけでなく、展示内容自体も変わるようだ。
(写真 「遊就館」と展示物の零式戦闘機と人間魚雷・回天)