前回、安倍晋三首相(冒頭左写真)が名誉会長を務める「日本安全保障・危機管理学会」(東京都千代田区)という一般社団法人の疑惑に関して総論的に報じた。
今回はその複数ある疑惑のなかで、わが国の安全保障上、逆に問題が生じる懸念さえもある重大案件につき具体的に報告する。
それは前回も少し触れた、兵庫県の某シェルター会社=N社の件だ。
このN社、日本安全保障・危機管理学会にひじょうに食い込んでいる。
地下シェルターを販売しているが、売上げ実績は販売を始めてまだたった1件で、まったく利益を上げていない。そこで、同学会を利用して、官公庁などに入り込んで利益を得ようと同学会の法人会員になった。そして、いまでは法人会員に止まらず、学会のなかに民間防衛部会なるものが設置され、N社のY社長はそこの部会長、さらに学会の主任研究員にまで収まっている。
そうしたなか、学会の二見宣理事長(冒頭右写真。防衛大6期。陸上自衛隊。米国情報学校留学。指揮幕僚課程=CGS、防衛研究所を経て陸将補)との癒着疑惑まで出ているというのだ。
「Y社長は主任研究員としてその部会で話をするのですが、安全保障や危機管理を専門的に学んだことがないため、話はいつもシェルターの話となり、本来の民間防衛や国民の観点からの内容がない。そのため、当初は20名以上の参加者がいたのですがだんだん減り、最近では会員との間でつかみ合いの寸前までなってしまった。ところが、Y社長の部会長更迭が要請されても、二見理事長は一切無視しているのです。それどころか、逆に二見理事長の紹介で今年3月、Y社長は箔付けのために本を出版する予定なんです」(民間防衛部会参加の学会会員)