本紙は昨年9月、臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗「黄檗宗」(京都府宇治市の「萬福寺」が総本山)の末寺が、借金の片に、伽藍本堂や敷地などを実質、差し押さえられた事実を報じた。
景気が良くない昨今、止むに止まれぬ事情があるならそれも仕方ないだろう。ところが、その実態はといえば、演歌歌手との2足の草鞋を履く仕出し料理屋のボンボンである檀家総代の借金のため、しかし、本山には寺の建替工事と偽り、実質、名義貸しをしてその“手数料”をいただくという何とも内容の悪いものだった。
しかも、その後、この末寺の住職と檀家総代コンビは、詐欺紛いの資金集めをしているとの情報さえ得たので、昨年10月にはそれを追加報道しておいた。
なお、その末寺とは「安城寺」(愛媛県松山市)で、住職は御木徳久氏、檀家総代は宇都宮貞史氏という。
その後、こうした疑惑などは本山(浅井聖道総長)の耳にも入ったと聞いたので、さすがに何らかの対策ないし処分が行われているものと思っていた。
ところが、事実は逆で、あろうことか、その御木・宇都宮コンビと黄檗宗トップの浅井総長が組んで、代々、黄檗宗の総長が勤めていた、座禅を取り入れた研修施設「青少年文化研修道場」(=冒頭写真。宇治市)を、御木・宇都宮コンビが“乗っ取り”、私物化を図ろうとしているとして、ある政治結社が浅井総長に抗議する「質問状」(上写真)を出していたことがわかった。
すでに昨年11月27日のことで、本紙で調べてみると、その後、この研修道場は完全に“乗っ取られ”、しかも同施設を売却しようとしていることもわかった。
いったい、これはどういうことなのか!?