6月11日午後1時20分から東京高裁で、本紙(+山岡個人)VSパチスロ大手「ユニバーサルエンターテインメント」(6425。JQ。旧アルゼ。岡田和生会長=下写真)訴訟の控訴審判決言い渡しがあった。
既報のように、ユニバーサルがフィリピンにおけるカジノ事業を行うに当たり、計4000万ドルもの不透明な資金移動があり、このうちの一部が比政界関係者に流れた疑惑があると本紙が報じた(「ロイター」、「朝日」も詳細な続報をし係争中)ところ、1億円の損賠賠償などを求められたもので、今年1月の一審判決は、本紙に165万円の支払い、記事削除、本紙HPへの謝罪広告掲載を命じるものだった。
本紙は記事に自信を持っているので、不当判決だとして控訴していた。
そして、この日の判決は、一審の謝罪広告掲載は取り消しと一部本紙が勝訴したものの、165万円の支払い、記事削除は覆らなかった。
控訴審判決を控えたこの1カ月ほどの間に、ユニバーサルが前述の計4000万ドルの送金の一部について、同社に無断で送金したと提訴していた元社員の一人N氏に、ユニバーサル側弁護士が米FBIなどへの捜査協力を辞めれば「対価」を支払うとする和解案提示をしていたことが発覚。また、この4000万ドル送金の調査をしていた第三者委員会が「報告書」を出したのにユニバーサルがそれをIRしないため、委員会が抗議の意味も込めて実質、調査委員会は解散。さらには、前述の和解案を提示された元社員N氏が逆に岡田会長らを名誉毀損で告訴するなど、ここに来て、ますますユニバーサル側は自分たちに非があることを知りながら、世間体のためにスラップ(嫌がらせ)訴訟をしているとの感を強くしていただけに、控訴審で完全逆転出来なかったことは残念でならない。
そもそも、本紙としては本紙記事がなぜ名誉毀損に該当するのか正直、わからない。当然、上告して最後まで争うつもりだ。
ところで、本紙側はこの控訴審で、「弁論再開申立書」を出していた。
4000万ドルが疑惑に満ちたものであることは明らかなのに(いまもFBIなど当局は捜査を行っている)、その結論さえ出ない間に一審は記事は「真実でない」と断定。しかも、報道する側にとってはこれ以上の屈辱はない謝罪広告掲載まで命じた。
高裁では、さすがに謝罪広告掲載は破棄したが、余りに当然といえば当然のことだ。
しかしながら、本紙側が「審議を尽くしていない」として一審でまったく認められなかった証人尋問の要求に関してさえ認めなかった。また、ユニバーサル側から、比カジノ当局トップの私設秘書(通称ボイシー)側に送金された4000万ドルのさらなる先の送金先を調べれば、必ず疑惑が証明できるとして裁判所に銀行口座照会を求めたがこれも拒否された。未だIRされていない第三者委員会の「報告書」も同様だ。
本当にこれでは裁判所は、まともに審議する気があるのかと思わないわけにはいかない。
そんなわけで、「弁論再開申立書」を出し、そこにユニバーサル側が提訴した別の元社員K氏の「陳述書」を添付しておいた(冒頭写真)。
というのも、そこには岡田会長が、比のカジノ事業で便宜を受けるべく、巨額送金を行う(行った)事実を、直に聞いたとして(複数回、日時や場所も記載)、詳しく書かれているからだ。