アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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安倍晋三元首相との縁で――善管注意義務違反が認定された「指月電機」社長らに対する株主訴訟

 報告が遅くなったが、今年5月21日、東証2部、大型コンデンサー主力の電気機器メーカー「指月電気製作所」(本社・兵庫県西宮市)に対する株主代表訴訟の一審判決が、神戸地裁尼崎支部であった(冒頭右写真=判決文)。
原告(上本広信氏)は現在、同社の取締役会長兼代表執行役社長を務める梶川泰彦氏(冒頭左写真)ら3名の新旧同社幹部に対し、善管注意義務違反があり、会社に損害を与えたとして約2億5500万円の支払いを求めて提訴していた。
同社は「点描」なる大型ディスプレイ装置を開発したが、まったく売れなかった。そのため、1999年5月から部外から営業協力を仰いだが、この相手は大物事件屋の古賀隆助氏(故人)とその関係者だった。結局、装置は1台も売れなかったが、1年余で約2億5500万円の出費を余儀なくされた。しかも原告は、被告の1人、前社長の大津清和氏は、古賀氏と組んでその出費の一部をバックさせていたとも主張していた。
本紙がこの件を注目し、以前にも何度か取り上げているのは、前出・古賀氏、大津前社長、そして安倍晋三元首相も、「慧光塾」という実質、宗教団体の教祖(故人)に帰依しており、その関係から、この金銭疑惑に出て来る「指月プランニング」なる会社の役員に安倍元首相、安倍氏の私的後援会として一時、話題になった「安晋会」の杉山敏隆会長、“教祖”の光永仁美氏、そして大津前社長も就いていたからだ。
原告主張によれば、そもそも、大津前社長にリベート疑惑が出たのは、株投資で約20億円ともいわれる巨額損を被り、個人的資金に窮していたからで、その投資銘柄は“教祖”が選んでいたという。また、大津前社長が“教祖”と付き合うようになったのは、父で創業者の山本重雄氏と“教祖”は、安倍元首相の父・晋太郎元外相の代からの共に後援者で、晋太郎氏から「光永君をよろしく」と言われたことが契機になっているという。
社名の「指月(しづき)」は、創業者・山本氏の出身地・山口県萩市の萩城の別名「指月城(しづき城)」から取った。そして、晋太郎氏の中選挙区時代、萩市は晋太郎氏の選挙区だった。

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