アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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検察の大ミスか!? ミャンマー人女性=コンジャさんに適用された「営利目的集団密航助長」という犯罪

 昨年12月、ミャンマー人女性4名を07年4月、不法に入国させたとして、警視庁組織犯罪対策1課などは、NPO法人「ウエルネス・ネットワーク21」(東京都中央区)の小舟日出雄理事長(下写真)、行政書士・大森泉両被告を、出入国管理法違反(営利目的集団密航助長)の疑いで逮捕した。
この件は、特にテレビでは大々的に報じられたから、記憶がある読者も多いのではないだろうか。
小舟被告らはこの4名に加え他にも、06年2月以降に中国人も含め計135名を集団密航させ、総額約1億6000万円を得ていたとされる。
両被告にはすでに一審判決が出ている(小舟被告は懲役2年6カ月。大森被告は懲役2年6月、執行猶予5年、罰金100万円。ただし両被告とも控訴中)が、実はこの両被告との共同正犯容疑で、小舟被告らより3週間以上前に逮捕され、すでに約7カ月も勾留されているミャンマー人女性の存在は知られていない。知られていないから、救援団体なども一切付いていない。
「コンジャ」さんという(25。冒頭写真)。
彼女はかなり以前に、まったく別のルートで来日(ビザは来日時は修学ビザ、現在は就労ビザ)し、派遣社員として働いていたが、小舟被告らと面識のあった叔母さんとの関係から、この犯罪に加担したというのが検察側の主張だ。
だが、彼女の弁護士(逮捕を知った知人が私選弁護士を付けた)は、「検察官が、集団密航助長罪の構成要件の解釈を誤り、独断と偏見に基づき、共謀に関する証拠が一切提出されていないにも拘わらず起訴された事案」であり、「無罪の身でありながら、長期拘束を受けており、重大な人権侵害」をしているとまで断じている(カッコ内は、被告側の「弁論要旨」=5月27日付より)。
どういうことなのか。
実はこの営利目的集団密航助長は、97年の出入国管理法改正で新設されたもので、最高刑は懲役10年。それまで集団密航の幇助罪で対応していたが、これは刑の上限が懲役1年6カ月と軽く、また、この間、集団密航が急増し、この援助で巨額の不当利益を得る「蛇頭」など犯罪組織の存在が明らかになったことから、これに対応すべく設けられた。

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