アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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JT子会社「加ト吉」に売却されていた、「ネスレ日本」の富士山麓盗水疑惑会社

本紙では以前、世界的食品メーカー・ネスレの日本法人「ネスレ日本」(兵庫県神戸市)の関連会社「富士アクア」が、自然公園法に違反したり、他人の土地に勝手に送水管を引くなどして取水し、ミネラルウオーターを販売していた疑惑を報じたことがある。(冒頭左写真=「朝日」07年1月18日。山梨版)
この水源や送水管が通っているのは、山梨県南都郡西桂町だが、この関連会社役員には当時の町長が就いており、両者の癒着疑惑も出ていた。
もっとも、こうしたなか、ネスレ日本は販売していたミネラルウオーター「こんこん湧水」の販売を中止。また、こうした疑惑が浮上するや、早々にその関連会社を売り飛ばそうとしたところ、相手先企業「ナム」にこうした疑惑を知っていたら買わなかったとして訴訟提起され、それなりの痛手を負ったものと思っていた。
ところが、よりによって、こうした経過を知りながら、当時、東証1部に上場していた「加ト吉」(香川県観音寺市)が問題の「富士アクア」を買収していたことがわかった。
加ト吉は冷凍食品大手だが、循環取引が発覚して昨年4月、上場廃止に。現在、東証1部「日本たばこ産業(JT)」(東京都港区)の完全子会社になっている。
これだけでも驚きだが、なおさら驚きなのは、その後、勝手に引かれていたとする土地所有者が送水管撤去の訴訟を提起、その一審判決が昨年12月にあり、甲府地裁都留支部は送水管の撤去を命じた事実だ(冒頭右写真=その「判決文」)。

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