流通系カード首位の「クレディセゾン」(8253。東証1部。東京都豊島区)の株主総会は6月27日に開催されたが、その席である株主が約15分に渡り“爆弾発言”を行い、退場になっていたことがわかった。
その発言者とは、約2年前、クレディセゾンのカード支払いを免れようとして脅したとして、警視庁組織犯罪対策3課に恐喝未遂容疑で逮捕されたM氏(70。当時)。
当時、一部新聞でも報道されており、本庁組対の登場となれば総会屋関係者と思っても当然だろう。ところが、このM氏、反社関係とはまったく無関係、元伊藤忠商事社員で、極めてまともな市民だった。
事の契機は、M氏が友人と2人で秋葉原のキャバクラを利用したこと。3時間ほどいたところ8万数千円を請求され、M氏は高過ぎるとして減額するように抗議。しかし店長に拒否され、納得がいかないM氏はカード支払いとしたクレディセゾンに事情を説明して支払いを止めてくれと依頼。すると一度は了承しながら、数日後やはり出来ないといわれたことからM氏は激昂。銀行口座を残高不足にするからどうしても取りたいなら差押えをしろと告げると同時に、「株主総会に出て問題提起する!」といったところ、クレディセゾンはその会話録音を持って即、警察に通報。ほどなく組対3課の警官が自宅に6名ほどで訪れ逮捕され、非を認めないM氏は期限一杯の21日間勾留されたというのだ。
「顧客を何だと思っているのか!」と訴えたく、昨年の定時株主に出て発言したかったが、昨年はどうしてもやんごとなき用があって出席できず、今年出席。クレディ側もまさかその元顧客が来るとは予想してなかったようで、林野宏社長(冒頭写真)の報告の後、挙手したらすぐM氏は指名されたという。