「東京慈恵会医大」(東京都港区)は7月18日、本学講堂で記者会見を開き、文部科学省の科研費を不正受給していた疑惑についての調査委員会の結果、関係者の処分などについて松藤千弥学長自ら(冒頭写真の中央人物。右は調査委員会委員長の岡部正隆・解剖学講座教授)公表した。
それによれば、高橋宏樹講師は04年にも発覚した不正受給に関わり5年間受給資格が停止されたため、他人のIDを使うなどして34件申請し19件計7029万円を不正受給していた。すでに6月26日付けで、高橋氏を懲戒解雇したという。
また、管理責任者の銭谷幹夫教授を減給1カ月、科研費を申請する上で必要なIDなどを貸した講師や助教授計7名など関係者計15名を処分したという。
高橋氏については申請時に研究業績を過大に見せたり、受給した一部を申請とは別の研究に流用した分はあるものの、基本的に申請した研究に使用し、カラ出張や私的流用などは確認されなかったというから、事件化する可能性はまずないようだ。
昨年12月、疑惑に関して流布されるなか12月26日、銭谷教授から松藤学長に相談があり、28日、調査委員会を発足させたという。
だが、真相はかなり異なり、しかも管理責任者だった銭谷教授の責任が極めて大きく、さらに栗原敏理事長の責任も追求されるべきとの内部告発があったので以下、報告しておく。