アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

巨額広告で報道はもみ消し、右翼には現金支払い口封じーートヨタ、欠陥車放置問題

8月3日、国土交通省からリコール(回収・無償修理)を巡る情報管理で業務改善命令を受けていたトヨタ自動車(愛知県豊田市)は、リコール監査強化をして行くとする「再発防止策」を同省に提出した。
このような事態になったのは、7月11日、熊本県警が、トヨタはRV車「ハイラックス」に重大な欠陥があると認識しながら、約8年間にも渡ってリコールすべきところ放置し、結果、5人を負傷させる交通事故を発生させたとして、同社歴代品質保証部長3名を業務上過失傷害容疑で熊本地検に書類送致したからだ。
ここで思い出していただきたいのが、事件化した三菱自動車の前輪脱落による3名死傷事故。同じリコール“隠し”が事故を呼んだ。
 トヨタの場合、幸いにも死者は出なかった(発生場所が熊本県内。2004年8月12日)が、それは結果論に過ぎない。
むしろ、この事故を受けてトヨタがリコールに踏み切った時期(04年10月)は、前述の三菱自動車の3名死傷事故が発生、神奈川県警が三菱自動社本社等を家宅捜索(03年10月)、欠陥車隠しが明白となり、全マスコミが大々的にバッシング報道している渦中だったことを思えば、“世界のトヨタ”も同様の不祥事を起こしていたとなれば、本来、こんなおいしいネタはない。
ところが、熊本県警は05年8月、トヨタ本社を家宅捜索し、書類などを押収したにも拘わらず、大手マスコミは見事にどの社もただの一行も報じなかったのだ。
それから約1年、熊本県警は押収した資料分析、事情聴取を重ね、今回、前述のように3名の部長を書類送検したわけだ。そして、ここに至ってようやく大手マスコミは報じ出した。
だが、それでもトヨタは強気で、未だに「リコールしなかった当時の判断は間違ってなかった」、「(県警は欠陥車放置によるトラブルは全国で82件は発生したと見ていることに対し)11件」等と開き直り、県警批判をしている。
三菱自動車が同じ状況でこんな発言をしたら、袋だたきどころか、本当に会社が潰れかねないだろう。ところが、大手マスコミはこのトヨタ側の主張を批判することなく紹介する始末。「トヨタよ、驕るな」と社説などで論じているのは『北海道新聞』など地方紙数社だけで、全国紙など大手マスコミは軒並み及び腰なのだ。
このような三菱自動車との著しい差異は、トヨタの年間約1000億円という桁違いの広告量のせい以外には考えられない。
だが、このようなトヨタの傲慢さ、隠蔽体質はこれだけに止まらない。
本紙はこの問題で、トヨタが右翼対策もしっかりやっていた事実を掴んだ。

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