本紙・山岡も申立人に名を連ねている「フリーランス表現者43名による秘密保護法違憲訴訟」だが、去る10月3日、東京地裁民事部民事第38部(谷口豊裁判長)は、同法の施行停止の申立てを却下した。
却下の理由だが、まず同法の無効確認について「抽象的に同法が憲法に適合するか否かの判断を求めるもの」「限られた特定のものに対してのみ適用されるものではない」であるから、訴えは不適法であると退ける。さらに差止めの訴えについても「行政事件訴訟法3条7項所定の差止めの訴えを本案とする執行停止の申し立ては許容されていない」と退けた。
これに対し、申立人代理人弁護士(堀敏明、山下幸夫)は10日、裁判所に対し抗告状を提出した。「施行されれば直ちに、その罰則規定が抗告人らに適用されて検挙されることもありうるのであって、それが具体的かつ現実的な危険である」として、裁判所の法令解釈は誤りだと述べている(写真は第二回公判後の訴訟団記者会見)。
この抗告状にある通り、本紙・山岡らフリージャーナリストは、決して抽象的に同法が違憲であるからという理由だけで、訴訟を起こしたわけではない。まさに同法が施行されれば、フリー記者の取材や報道の自由が侵害される、「具体的で現実的な危険性」があるからだ。