著者は03年、東京都江東区に東証1部の大手不動産会社「東急不動産」(東京都渋谷区。販売代理は東証1部「東急リバブル」)が建設したマンションの3階部屋を購入した。
ところが、東急不動産はそのすぐ隣に3階建て作業所兼倉庫が建設予定で、その所有者からもマンションの3階以下の購入予定者には必ずその旨伝えるように要請されていたにも拘わらず、その説明をしなかった。
建設されれば、その方向にしか窓がない著者の部屋は昼間でも暗闇になり、また作業所の音が響くことになるのにだ(冒頭左写真。当時の現場写真。黄色マーカー部分が建設中の3階建て作業所兼倉庫。右側が著者購入マンション)。
本書は、そこで著者が消費者契約法に基づき(不利益事実不告知。第4条第2項)、その契約の取り消し、売買代金全額返還を求めて提訴し、そして全面勝訴した記録だ。
実は本紙は早くにこの問題を取り上げ(05年2月)、本紙記事も原告側証拠として提出された(本書36~37Pに記述あり)。
それにしても、驚かされるのは、東急側のその誠意の無さだ。
まず、著者の訴えに対し、「弁護士でも都庁でも裁判所でもマスコミでも、どこでも好きなところに行って下さい」と完全に開き直ったという。