大手マスコミはほとんど報じていないが、7月1日の衆院平和安全法制特別委員会で注目すべき質疑があった。 木村伸子(共産)「日本を爆撃する他国の戦闘機に、別の軍隊が給油した場合、(日本からみれば)両国は一体化しているのではないか?」 岸田文雄外相「『一体化』の議論を国際社会に当てはめることは困難だ」 要するに、わが国政府も「一体化」と思っている。しかし、そう答えると、爆撃された国は給油した国にも武力で反撃し得ることを意味し、政府のめざす安保法案成立に支障を来たす(この日、同委員会で中谷元防衛相は、自衛隊の空中給油機による米軍などの戦闘機への給油が可能になると説明)。 しかし、さすがに「一体化と思わない」とも答えられず、岸田外相は返事をはぐらかしたわけだ。 木村委員は明確な答弁を求めたが、最後まで岸田氏は返答せず、審議は三度に渡り中断した。 このどこが議論を尽くしたなのか? しかも、安保法案は憲法違反の可能性が高いだけでなく、軍産複合体国家の米国の商売としての戦争にわが国が引きずり込まれる危険性大ということだ。 そんな法案、しかも世論調査によれば国民の7割以上が「説明不十分」といっているのに、全有権者の約25%の支持しか得ていない(前回衆議院選投票率約53%×自民党小選挙区得票率約48%)というのに自民党、安倍内閣は成立を強行しようとしている。 もっとも、すでにこの安保法案は7月16日、衆院を通過。60日ルール規程に従えば、もはや成立は時間の問題と思っている読者もいるかも知れないがそんなことはない。 7月17日、国会前を覗いて来たが、たまたま取材した一反対集会だけでも、衆議院通過後にも拘わらず2万人(主催者発表)もが参加し、熱気に溢れていた。 そして、「16日の衆院可決では自民党の2人(村上誠一郎元行革相と若狭勝氏)が欠席した。すでに安倍内閣は支持率より不支持率が上回っており、予定される9月中の衆議院での再可決には11人の“造反者”が出ればいい(再可決に必要な3分の2以上に達しない)。その可能性はある!」との発言も飛び出していた。 参加者の1人も、「以前は組織動員らしき者や高齢者男性が目に付いたが、日に日に若者や女性が目立つ。全国各地の主要都市でも連日集会やデモが行われており、70年安保の様相を呈して来ている」と語ってくれた。 なお、今後のデモなどのスケジュールはここをクリックすれば見れます。 (*下左写真以外、すべて後方に見えるのは国会議事堂)…