英国の公認スポーツ賭博業者「ブックメーカー」を使った投資で高配当を謳い、約400億円も集めたものの、12年5月、配当がストップし詐欺疑惑が出ている「スピーシー」(大阪市西区)なる会社をご記憶だろうか。
その後、投資した者計70名ほどが大阪と東京でそれぞれ集団提訴。請求額は計約5億円。13年6月、和解が設立し、原告は約6割回収している。
全体の約400億円ともいわれる被害額からすれば約3億円など微々たるものながら、それでもこれが効いたのか、未だこちらのブックメーカー詐欺疑惑人物が逮捕されたとの報道は聞かない。
その詐欺疑惑の一番中心にいると見られるのが波田直樹(かわだなおき)氏。
波田氏自身、自分も被害者だと主張する一方で、マルチまがい商法の親玉としてスピーシーへの投資を募ったとして投資家に返金への協力を約束している(冒頭写真=波田氏が投資家に宛てた手紙)。
それもそのはず。
真相はスピーシーの親会社的存在なのが「オーロマーレ」(東京都中央区)で、その実質的経営者が波田氏と見られるからだ。
その波田氏が、仲間と組んで、別件の投資話で総額4億円以上を騙し取ったと思われる事案を本紙はキャッチしたので報告する。
しかも、何とも強かと思われるのは、この別件の資金の引き出し時期は配当がストップしスピーシーの悪名が広く知られるようになって(NHKニュースでも流れた)以降なのだが、すると波田氏自身が逮捕されるとか、そうなると借用したあなたも逮捕されるなどと脅し、さらに資金を引き出すというエゲツサだったようなのだ。
仮に被害者をA氏としておこう。