アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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寺澤有氏、武富士と武井保雄の‘言論弾圧’訴訟に対し、2億円の損害賠償など求め提訴

●記事は正確とわかっていながら、2億円の高額提訴  ジャーナリスト仲間の寺澤有氏は5月25日、東京地裁内の司法記者クラブで記者会見し、東証1部の「武富士」と同社創業者の武井保雄氏(本紙・山岡に対する電気通信事業法違反と名誉毀損で懲役3年、執行猶予4年の有罪確定)に対し2億2000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求め、本日、東京地裁に提訴したことを明らかにした。 寺澤氏は『週刊プレイボーイ』(2003年5月27日号?8月12日号)で4回に渡り連載し、武富士と警察の癒着などを告発した。これに対し、武富士並びに武井氏は同社HP上でその事実を全面否定した上、記事が出る度に5000万円の高額訴訟を提起し、その合計は2億円にも上った。  ところが、例の武富士盗聴事件の捜査が始まるや一転、寺澤氏に和解を求め、これを拒否するや、提起した訴訟を放棄しただけでなく、同HP上に以下のような文言の謝罪広告を掲載した。 「ジャーナリストである寺澤有氏(及び山岡俊介氏の)武富士及び私の盗聴事件への関与に言及した記事に関し、同社のHP上に、同氏らに対するいわれのない誹謗中傷を掲示することを了承」「私は武富士及び自らが盗聴行為に関与していたにも拘わらず、事実を隠蔽しようとし、ことさらにこのような行為をし」「このような行為は法律違反であるばかりでなく、武富士の代表取締役にある者として、絶対に行ってはならないことでした」(武井氏の謝罪文より。法人としての武富士も全面謝罪) ●狙いは言論封殺 これら事実から、寺澤氏は「名誉毀損を理由に2億円という原告の生涯賃金に相当するような高額な損害賠償を受け、畏怖・困惑させられただけでなく、応訴を余儀なくされ多大な時間と労力、費用を消費させられた。また、被告らの行為は原告の正当な批判の言論を封殺しようという違法な目的のもとに、名誉毀損が成立しないことを熟知しながら提起されたものであり、高額な損害賠償請求訴訟をすることにより、嘘と金の力で、原告のジャーナリストとしての活動を妨害し、言論の自由、表現の自由を侵害しようとする極めて悪質な行為である」として提訴した。 提訴額の2億2000万円は、武富士と武井氏の提訴額と同額(2億円)、それに弁護士費用を加えたもの。 ●相次ぐ高額訴訟。東理ホールディングスと福村康廣氏も同様 「しかし、武富士の件以降も、問題企業ほど、反省するどころか、相変わらずその資金力を背景に、言論を報じ込めようという“嫌がらせ訴訟”が目につきます。これに対し警鐘を鳴らす意味もあります」(寺澤氏) 参考までに、最近の高額訴訟記事の表を掲げておく(『週刊ダイヤモンド』06年5月13日号「メディア相手の巨額訴訟急増の実態」より)。人材派遣のクリスタル、企業再生ファンドのジェイ・ブリッジ、外資サーベラス、地域住民と問題を繰り返すドン・キホーテ、パチスロのアルゼ、過酷で法律を悪用した狡猾な取り立てを繰り返す旧・商工ファンド、東理ホールディングスを始め福村康廣氏傘下企業の監査を軒並み行っている国際第一監査法人など。なお、その後、本紙・山岡に対してさらに東理(東証2部)並びに福村氏が1億円で提訴と、まったく同じ挙に出ている。 (冒頭写真は司法記者クラブで会見する寺澤氏・右と堀敏明弁護士。撮影・三宅勝久氏)…

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