本紙でも既報のように、ついに先物取引大手「グルーバリー」の社長等が本日午後、逮捕された。 容疑は、顧客とのトラブルがありながら、義務づけられている国への報告をしなかった商品取引法違反(虚偽)容疑。本社のある地元・愛知県警生活経済課等が、社長の山田保弘容疑者等同社現・元幹部4名を逮捕した。その他は専務の古橋孝彦、元常務の石渡正春、常務の青山和裕容疑者。 調べによると、山田容疑者らは、経済産業、農林水産両省による行政処分を逃れるため、2001年10月から04年9月末までの間に400件以上のトラブルがありながら、内119件も少ない虚偽報告書を両省にしていた疑い。 さらに、04年4?9月の間、顧客の取引を装った自己取引で得た利益約1億1600万円を、トラブルになった客への和解金用の裏金としてプールすべく、04年11月、虚偽の損益計算書などを両省に提出した疑い。また、社員の家族名義の取引口座を開設、01年度から3年余で計7億円の利益を上げ、それでもって計411人に和解金を支払い、やはりトラブルが表面化しないようにもしていた。 こうした簿外処理は、今年4月に発覚。同社はすでに今年9月末には商品先物取引業から撤退。逮捕同日、上場も廃止になった(名証2部)。 すでにアテネ五輪女子マラソンの金メダリスト・野口みずき選手が所属していた同社陸上部は廃部になっている。そのため、野口選手は新たな移籍先を捜しているが、今回逮捕までに決まらなかった。 何しろ、社長が逮捕されたのだから、意思疎通に支障を来し、また、社長逮捕会社の“広告塔”を務めていたわけでイメージダウンは避けられず移籍先捜しはより困難を来すのか。それとも、逆に社長の意向など気にする必要がなくなり話がよりスムーズに進むのかーーいずれにしろ、彼女の動向が注目される。…