アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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トップの特別背任疑惑で揺れるパシコン、茅ヶ崎市の「環境調査」でも疑惑

トップの特別背任疑惑を徹底して追及している本紙は、この世界的なコンサツタント企業「パシフィックコンサツタンツ」(本社・東京都多摩市。荒木民生代表)の環境部門でもある疑惑を掴んだ。 エコ問題が真剣さを増す中、「環境」も大いに商売になる。パシコンも同分野は事業の柱の一つで、 環境影響評価、環境調査・解析・予測。地球環境、自然環境保全、環境基 本計画などを行っている。疑惑は、このなかの「環境調査」に関してだ。 パシコンは03年度から3年間、神奈川県茅ヶ崎市から「自然環境評価調査事業」を委託している(受注額は2047万5000円)。 この事業、パシコンが受注できたのは平塚市で同様の自然環境評価マップ作成(2000年)の実績が高く買われた結果だった。 というのも、このマップは、地元博物館と協力し、1978年から2003年までの実に26年間、市民約460名が参加して足で生きものの情報を集めた結果、社会的に認知された手法だからだ。 つまり、わが国で初めて認知された“マップ”の作成手法が、あたかもパシフィックの独自技術と謳われていたのだ。 もちろん、この作成に参加した平塚市民には、彼らが集めたデータが転用され、パシコンの実績にされていた事実は一切伝えられていない。 しかも、受注先選考に当たってパシコンから茅ヶ崎市に出された書類のなかには、茅ヶ崎市民の環境保護関連の9団体から調査協力が得られる旨の記述も無断でされていた。 もっとも、パシコンが茅ヶ崎市から受注できたのは、こうした実績等だけに止まらない。 茅ヶ崎市が定めた選考実施要綱、仕様書を見ると、まさにパシコンの技術そのものといっていい内容となっており、最終的にこの事業は3社に絞られ、パシコンが受注したのだが、当初から市はパシコン受注を望んでいたように思える。官製談合疑惑さえ出ているわけだ。 おまけに、この自然環境評価調査事業の取り組みの座長を務めるのは、パシコンが謳う平塚市のマップ作成において大きな役割を果たした、平塚市博物館の当時の担当学芸員で、現在、館長の地位にある人物なのだ。 ご本人は個人的に参加しているというが、パシコンから謝礼支払いがされ、また、平塚市博物館の機材が流用されたり、地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限)違反の疑惑まで出て来ている。 米軍基地移転先候補になっていた沖縄県辺野古沖の海底ボーリング調査も引き受けていたように、パシコンの顧客は政府や政府開発援助(ODA)に絡むような大企業で、環境調査の目的はそもそも「保護」ではなく、「開発」を前提にしている。 そのような企業が自然環境保護を願って参加した市民のデータを転用して実績を謳い、各自治体等の担当者と癒着し、環境調査の仕事を次々と受注されてはたまったものではない。 平塚市、茅ヶ崎市、そして平塚市博物館館長は、こうした一連の疑惑に真摯に答えるべきだろう。 ○参考 +α平塚市民情報誌 小林悦子 http://www.asahi-net.or.jp/~uc4e-kbys/toukou/13.html http://www.asahi-net.or.jp/~uc4e-kbys/toukou/15.html http://www.asahi-net.or.jp/~uc4e-kbys/toukou/17.html http://www.asahi-net.or.jp/~uc4e-kbys/toukou/18.html…

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