アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

苫小牧原油タンク作業で18名水銀中毒事故、国策遂行のため労災認定潰しか!?

●作業中に高濃度の水銀蒸気に曝露され、水銀中毒に 北海道苫小牧市の勇払油ガス田から出た原油を貯めておくタンクの清掃を行っていた作業員18名が、水銀中毒のような症状を訴え、内3名が入院していたことが発覚したのは、今年9月29日のことだった。 作業に携わっていた者は、いずれも出光興産の子会社「出光エンジニアリング」から派遣されており、作業員は全部で80名。同油ガス田は「石油資源開発」が発見・開発し、天然ガスと原油を生産している。 作業員は、この天然ガス生産の際、同時に出る原油を備蓄しておくタンクの清掃を今年7月17日からやっていた。ところが、この原油には高濃度の水銀が含まれていたことから、少なくとも表向きは防毒マスクや保護服の着用が指示されていたはずだが、高濃度の水銀蒸気に曝露され18名が入院、内3名が8?18日間の長期入院をしていたとされる。既報道によれば、出光側は8月31日の検査で、タンク内の水銀濃度は厚生労働省の許容作業環境基準値の軽く200倍を超えていたと認めている。 そして、今後は苫小牧労働基準監督署が原因を調査するとしていた。 ●労災でないから、労基署は調査しなくていい!? この事実が正面化してから約1カ月半ーーところが、原因調査が終わるどころか、本紙にはさる確かな筋から、「会社側が“これは労災ではないといっている。だから、調査しなくていい”」ということで、結局、あやふやなまま蓋をしてしまおうという動きが監督署所管の厚生労働省内で起きているとの情報が飛び込んで来た。 事故があった「石油資源開発」は、株式会社とはいえ、石油公団が株式の49・9%を握り、社長の棚橋祐治氏は旧通産省事務次官から天下った御仁。目的は、国産天然ガスや海外原油の探鉱・開発・販売と、わが国のエネルギー政策の一翼を担ういわば国策会社。しかも、東証1部に上場している(03年12月)。 こうした事実を思えば、わが国経済界ないし経済産業省あたりから厚労省に対し、何らかの政治的圧力があった結果としても決しておかしくはない。 かつて、原子力発電所で働く労働者の放射能被爆が大きく取り上げられたことがあった。 安全基準もあり、防護服なども用意され、問題はないとされていた。 だが、実際に安全基準を守って働いていたら安全基準をすぐ超えてしまい作業ができない。だから、安全を守って働く労働者は首にされる。結果、労働者は防護服を脱ぎ捨て、作業後の被爆量を記した手帳の数値は自ら改竄していたことが明らかになっている。 今回も首切りを脅しに使って作業員を黙らせ、労災認定をさせないといったことが、まさかとは思うが罷り通そうとしているのだとすれば言語道断。労基署が最終的にどういう幕引きをするのか、とくと見守りたい。…

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