アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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名誉毀損で29年ぶり逮捕・長期拘留の松岡利康社長からの手紙

●拘置所からの叫び 11月17日、神戸拘置所に長期拘留されている出版社「鹿砦社」(西宮市)・松岡利康社長から、本紙・山岡に手紙が届いた。 すでに前代未聞といっていい、名誉毀損罪での起訴になる前からの逮捕、そして3カ月以上の拘留。つい先日、ようやく接見禁止(手紙)は解除になり、こうして手紙を出すことができるようになった(ただし、平日2通=週10通まで)からだ。 手紙には、権力が牙を向いた時の恐ろしさについて、こう綴られていた。 「50代半ばの身としては、肉体的にはもちろん、会社もほぼ潰れ、精神的にこたえないといえば嘘になります。ローンや借入の担保になっている自宅は競売にかけられるそうで、本当に全てを失うところまでやられてしまいました。いくら強そうに構えてみても、権力がまともにかかってくれば、脆いものです。おそらく創出版でも、鹿砦社と同じようにやられたら同じ有様だったのではないでしょうか。篠田さん(=創出版社長。本紙注。以下カッコ内同)が深刻なのは、このことが判っているからでしょう(松岡氏の件を大きく記事にしている)。在宅起訴されたぐらいで(家宅捜査はナシ!=これは松岡氏記述)大騒ぎしているオカドメ(編集長)なんかという人の脳天気さには参ります」 そして、自分の脇の甘さを反省する下りもあった。 「私はかつて『週刊ポスト』の相撲界スキャンダルの連載をまとめた単行本で、日本相撲協会から東京地検特捜部に刑事告訴されたことがありましたが、これが『不起訴』となったことで、甘く考えていたことで無防備状態でした。また、『月刊ペン事件』以来、この種の弾圧もなかったですしね。しかし、ここまで大掛かりにやるとは正直思いませんでした。 山岡さんも(単行本)『銀バエ実録武富士盗聴事件』で刑事告訴されているそうですので、マジで気をつけられた方がいいです。創出版(同単行本の版元)も被疑者として家宅捜査される可能性も否定できません。とはいえ、いくら気をつけても、権力はやる時にはやる! ということを、今回身にしみて感じました。浅野建一氏(同志社大教授)言うところの『国策捜査』ですからーー。少なくとも、刑事告訴ということを甘く考えない方がいいと思います」 ●第2回公判は12月19日(神戸地裁) くしくも、ちょうどこの手紙が届いた当日、日本弁護士会館内で、この松岡社長の逮捕について考える弁護士有志の勉強会があった。鹿砦社の出している月刊雑誌『紙の爆弾』の中川志大編集長が講師として招かれ、現状報告を行った。 その場で、検察側起訴状によれば、今回、名誉毀損容疑に問われているのは、 ?『スキャンダル大戦争』という季刊で出していたムック本のなかの一つの記事として複数回書かれたなかで、阪神球団元スカウトマンの死に関し、球団関係者2名が犯人かのように実名で書かれている。 (著者の実名で載せたいという強い意志を尊重してのこと。在宅起訴されたこの著者は、事情聴取において記述の80%は真実だと供述している。肝心の『タイガースの闇』という単行本は起訴対象になっていない。松岡氏側主張。以下同)。 ?アルゼ告発本において、アルゼの岡田和生前社長(創業者)の愛人に関して触れている。 (アルゼはかつてパチスロのシェアで50%以上あった上場企業。また、愛人は元アルゼ情報室長など務め、アルゼを代表してメディアにもよく出ていた。ただの愛人ではなく、公益性がある) ?インターネット上でアルゼ前社長の前科(脱税)について取り上げた。 (米・ラスベガス参入時、代表に前科がないことが条件だったところ、ある種、詐称するようなかたちでこれをパスしている事実があったので敢えて取り上げた。また、出版禁止の仮処分では、この前科を記した単行本の仮処分申請は却下になっている)。 の3点であることがを再確認された。 つまり、鹿砦社はスキャンダル出版社の印象が強く、「あの出版社社長ならやむなし」といった声が同業者のなかでも少なからずあるが、問われている事実は、他の多くの出版社でも十分あり得る内容で、つまり、もはやへたをすればまとも(?)とされる名の知れた出版社、名の知れた媒体の担当者等でも名誉毀損でいきなりの逮捕・長期拘留があり得るほど、一見、平和そうなわが国だが、すでにそれほど「表現の自由」は難しくなっているということだ。 ところが、大手出版社、新聞、テレビ局の多くは未だそういう認識がない脳天気さというか、自分たちは権力に擦り寄った報道をしているから大丈夫と思っているようで関心をほとんど示さず、報道もしていない。 なお、今回事件の関係で判決が延期になっていたアルゼが原告、鹿砦社が被告の、名誉毀損による損害賠償請求事件(約3億円)の一審判決が12月12日に予定されており、こちらも注目される。…

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