週明けの10月16日、「昭和ホールディングス」(右上チャート。5103。東証2部)、「ウェッジホールディングス」(右中央。2388。JQ)、それに「Jトラスト」(右下。8508。東証2部)の株価が急落。昭和HD、Jトラストは翌17日さらに急落することはなかったが、ウェッジHDはストップ安。16日初値638円から17日444円と、2日で3割以上の暴落となっている。
その理由は、ウェッジHDの子会社で、タイに上場しているオートバイのローン販売会社「グループリース(GL)」(バンコク)の最高経営責任者でもある此下益司氏(冒頭写真)がタイ証券取引所から偽計及び不正行為の可能性を指摘され、タイ法務省特別調査局による調査を受けることになり、今後、刑事事件に発展する可能性が出て来たためだ。
というのも、此下氏はタイへのファンド投資を行う「A.P.F.Group Co.,Ltd」(イギリス領バージン諸島)を中核とするAPFグループの会長でもあるが、そのAPFグループは昭和HD株の55%以上を所有。その昭和HDの子会社がウッジHD。一方、JトラストはこのウェッジHDのタイの子会社GLに出資(8・01%)、またJトラストは子会社を通じてこのGLの転換社債を180百万USドル(現在の円レートに換算すると200億円以上)保有するなどしているためだ。
今回の事態に至る前兆はあった。
本紙では今年3月14日、現地のタイ経済紙がこのGLに関し不透明な巨額貸付金が発覚したと報道。その際にも3社の株価は急落していた。