アベノミクス以降、都心の不動産から始まった再開発ブームは地方中核都市へと広がっている。そして、超低金利の影響でサラリーマンでも5000万円以上のマンションを購入するケースがけっこうある。また、相続税が厳しくなってきておりタワーマンション購入やアパート経営も増えてきている。(冒頭写真はイメージです)
ここで注意したいのは地方物件だ。
札幌、仙台、福岡といった人口が増えている中核都市はまだいい。問題はそれ以下の県庁所在地都市以下である。
実例を挙げよう。10万人程度の地方の市に住んでいる資産家は、20年ほど前、相続対策として自身の所有地300坪に6階建てマンションを建設した。建設費は7億円と伺っている。しかし、急激な人口減に地方大学の定員割れもあり賃貸では空室が増えてローンを支払えなくなってきた。当初、土地があるのだから払えなくなったら売却すればいいと考えていたが、築20年もとなると建物の劣化が目立ち始め、大規模修繕が必要になる。しかし見積もると2000万ほどかかる。ローンの支払いさえ困難なのにとても無理な話だ。
今、都心の大規模再開発があちこちで行われているが、郊外の個人所有ビルは古いままでテナント募集しても入居者がいない。修繕費もない。なら売却すればいいのだが、先ほどの資産家は7億円借り入れて6億円近くすでに支払っている。十分間に合うと思うだろう。しかし物件価格はほぼゼロ。土地の評価は大きく値下がりし、