今年6月に出版され、話題になっていたことは耳にしていたが、手にする機会がなかったところ、先日、たまたま時間調整のために立ち寄った書店で手にし、一挙に読んでしまった。
部落差別のことは、少なくとも人並みには知っているつもりだっただけに、野中広務氏と辛淑玉氏の対談内容には正直、衝撃を受けた。
戦時中、軍隊内でも、差別から来るすさまじいイジメがあり、戦場での臨終時も、部落出身というだけで、誰も近寄らなかった。また、こうした差別はいまも深刻で、野中氏は部落出身であることをカミング・アウトしたことから、現在も娘にも会わないし、奥さんも一緒に外出しないという。娘も奥さんも部落出身者であることが知られ、新たな差別の対象になるからだという。
野中氏といえば、自民党幹事長まで務めた元大物政治家だ。その野中氏の親族であることは自慢かと思いきや、人目を忍んで会わざるを得ないというのだ。