わが国でも覚せい剤が蔓延しつつあるが、それは暴力団の寡占化や地下潜行とも無縁ではないようだ。
儲かっているのは組織上部や、経済面に進出したごく一部で、暴力団社会でも経済格差は拡大しており、表向き、クリスはどの組織も御法度だが、いまではかなりの数の指定暴力団、さらには大手組織幹部さえ手を出してる模様だ。
もっとも、それは水面下の話で、実際に事件化しているのはそのごく末端というのが現状のなか、今年事件化した「室戸覚せい剤」事件は、120キロ(末端価格約120億円)という押収量の多さもさることながら、香港の犯罪組織の者(指名手配中)と、わが国指定暴力団・稲川会系幹部(逮捕。この10月に起訴)の関与も特定された画期的事件とされる。
大がかりな組織では、大量の覚せい剤を一度に運べる漁船使用が主流のようだ。この事件でも、中国船籍の漁船が使用され、今年2月7日夜、高知県室戸市沖で小型ボートに積み替えられ、同市内の漁港に水揚げされた。
こうしたなか、本紙はこの8月にも、200キロ(末端価格約200億円)もの覚せい剤が密輸されたとの有力情報を得たので、以下、報告する。
(冒頭写真=以下に説明)