アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<主張>検察“杜撰”捜査における小沢疑惑と、福島県汚職事件の共通点

 福島県知事だった佐藤栄佐久氏(冒頭右写真)は、東京地検特捜部によって収賄容疑で逮捕された。
福島県発注のダム建設工事(受注額206億円)を前田建設工業、その下請けとして水谷建設が受注。その後、水谷建設は佐藤氏の実弟が社長を務める会社の旧本社用地を買い取ってやっており、これはダム建設で“天の声”を出した佐藤氏に対するワイロだと検察は見たわけだ(前田建設も弟会社に4億円融資。後、返済)。
09年10月、高裁は佐藤氏を懲役2年とした。しかし、執行猶予(4年)付きで、ワイロの金額はゼロという前例のない判決だった(ただし、売れない土地を買ってもらった「換金の利益」なるものでもって強引に収賄罪を認定)。判決では、佐藤氏は「利益を得る認識がない」とまで記されており、「実質無罪」を示唆していた。
つまり、検察の面子を立てるためにいまさら無罪にはできないが、しかし判決文をよく読めば実質、無罪とも解釈できる「大岡裁き」、否、お茶を濁した判決だった。
その佐藤氏自身の著書『知事抹殺』(冒頭左写真)を読めば、検察の描いた「シナリオ」が間違っていた場合でも、この特権集団は「内省」という言葉を知らないため、脅し、透かしで辻褄合わせをし、冤罪事件を作ることがある恐ろしさが生々しく描かれている。
そして、この捜査に副部長として深く関わったのが、今回の小沢疑惑の捜査を指揮した佐久間達哉特捜部長だった。しかも、この事件の契機になったのは、小沢疑惑での1億円裏献金同様、水谷建設の水谷功元会長の証言だった。

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