今年1月28日、検察の重大疑惑が浮上していることを報じた、この栃木県足利市郊外の産廃不法投棄事件(正確な場所は足利市松田町字湯ノ沢2687番一帯の採石場=冒頭右写真)の闇についてレポートする(事件概要は前回記事の有料部分に貼付した2枚の栃木県庁県政クラブ社向け文書を参照のこと)。
第1回目は、この事件に暴力団関係者が関与しており、それにも拘わらず、そんな会社に栃木県(福田富一知事=冒頭左写真)は採石、さらにはそのための火薬使用許可を長年に渡り出していた証拠を紹介する。
問題の採石場はそもそも「富宇賀建材」(群馬県太田市)なる会社が所有、そして採石していた。
ところが、県を始めとする行政側の誤解やある件の隠蔽の必要性から(詳細は別の機会に述べる)、富宇賀建材に採石許可が下りなくなり、その許可を取れるようにしてやると乗り込んで来たのが暴力団の息のかかった勢力だった。
結果、言葉巧みに代表印や白紙委任状などを出させ、それで持ってまず創業者兼社長だった富宇賀利行氏一族を追放し、自分たちの息のかかった役員を就け同社を乗っ取り、さらにその所有権を「足利開発」なる株式会社に譲渡。
これに対し、富宇賀利行氏は提訴。勝訴し、所有権を2006年9月に取り戻す(上写真は採石場の謄本。赤色マーカー部分=「3番(足利開発)所有権抹消。原因 平成18年7月13日判決。現在の所有者は富宇賀氏の親族)。
だが、それまでの実に約9年間にも渡り、採石した跡地に硫酸ピッチのドラム缶など猛毒有害物質を持ち込み、不法投棄して巨利を得ていたと思われる。
その会社乗っ取りに際し、M氏なる人物が富宇賀建材の社名を「足利開発」(ただし同社は“有限会社”。採石場所有権譲渡先である“株式会社”足利開発とは別会社)に替え代表に就任。さらに株式会社の足利開発の役員にも就いた。