今年5月12日、「大阪淡水魚貝」(大阪市。破産決定)という大手淡水魚介専門卸会社から現金や小切手計約3億8000万円が不正に流用されたとして、前社長の宮城章氏(横写真)が、金融ブローカーの板井(牧原)隆夫氏を詐欺や業務上横領で大阪地検特捜部に刑事告訴した。(下写真=大阪市中央卸売市場。同社は同市場で鮎やシジミを扱う国内唯一の淡水業界専門業者だった)
全国紙では翌日の「産経」だけが報じたこの件、よくある経済事件の1つと見過ごすのは無理ないが、実は被告発人のこの板井氏、首都圏、否、有料老人ホームだけに限れば全国でも最大手と思われる「ベストライフ」(本社・東京都新宿区)と密な関わりがあったのだ。
それどころか、そもそも大阪淡水を子会社化し、長井博實ベストライフオーナーから「関西総責任者」として派遣されたのが板井氏で、両者は上場廃止になった「丸石自転車」のゴタゴタの時に知り合ったという。
また、板井氏は過去、病院乗っ取りグループとして最大勢力を誇っていた「新田グループ」にいたとの情報もある。
本紙がベストライフ、そして長井オーナーを何度も取り上げるのは、人の生死に関わる重大な社会福祉事業を大々的に展開する一方で、余りにきな臭い経済事件の周辺に投資家として顔を見せているからだ。