上場企業における訴訟案件、それも損害賠償(+謝罪広告掲載)を請求され提訴された被告の立場となれば、リスクがあり得るから、既存株主や投資家にしてみれば、是非とも開示してもらいたい情報だろう。
今年1月、マザーズ上場の携帯電話向けソフト会社「コネクトテクノロジーズ」(東京都新宿区)はそういう訴訟を提起されたにも関わらず未だその情報を開示していないことが、関係者の証言などから明らかになった。
なぜ、開示できないのか。
訴訟対象になっているのは、08年8~9月にかけての第3者割当増資を巡って。
コネクト社は連続大幅赤字で運転資金も枯渇寸前、疑義注記が付く中、何としても資金調達する必要があった。
関係者が証言する。
「そのため実施し、一部の資金調達に成功したものの、実質、引き受け先との間で金銭トラブルに発展した。その訴訟を紐解けば、あの有名な甲斐グループの協力を得ていたことがハッキリする上、事件性もあり得る案件。それだけに伏せておいた方が得策と判断したのでしょう」
いずれにしろ、勝訴が固いからリスクはあり得ないなどということはないという。
(冒頭写真=今年2月末までコネクト社の代表取締役会長だった加来徹也氏)