東京都議会に警視庁が提出した、インターネット端末利用営業の規制に関する条例案(通称「ネットカフェ規制条例案」)について、本紙は2月24日に取り上げたが、3月13日には東京・新宿区で条例制定に反対するデモが行われた。
「ネットカフェ規制反対、警察ふざけるな」との横断幕を先頭に、デモ隊は新宿区内の柏木公園を出発。約100人の参加者は、週末で人通りの多い歌舞伎町を練り歩き、「ネットカフェ難民を追い出すな!」「利用者を犯罪者扱いするな!」と訴えた。歌舞伎町でのデモは極めて珍しく、また訴えの内容も身近なものであるためか、注目度はかなり高かったようだ。
ところでこの種の反対運動につきものだが、警視庁公安部の刑事(と思われる私服の集団)は、今回も写真撮影をしたり発言内容をメモするなど、デモ参加者の監視に余念がなかった。その数は50人は下らない。その光景は、まさにネットカフェ規制を強化し、警察の監視下に置くというこの条例の狙いを象徴しているかのようだった。
前回の記事では、この条例の問題点について、写真付きの身分証明書の提示を義務化することで、ネットカフェを利用せざるを得ない人々が締め出される可能性があること、また、店側に利用客の個人情報を3年間保存させることは、情報流出の危険性があるし、本人の同意なく利用記録が開示されればプライバシーの重大な侵害になる、といったことを指摘しておいた。