「ユニオンホールディングス」(東京都板橋区)といえば、精密機械メーカー「ユニオン光学」などを傘下に持つ持ち株会社で、東証2部に上場していた。
しかし、1980年代後半の半導体不況により経営悪化。2002年以降は、横浜豊行被告の支援を仰いだところ、同氏は昨年末、大阪府警に同社株の「相場操縦容疑」で逮捕、さらに「架空増資」で再逮捕され、同社自身もその件で東証から「投資家に対する重大な背任行為」をやったと判断され、今年2月19日付で上場廃止になったのはご存じの通り。
この横浜被告の事件で、暴落した同社株を今年1月から買い集め、経営権を握ったのが、「富士テクニカルリサーチ」(神奈川県横浜市。名取孝代表)なる企業だった。
こうしたなか、今年3月24日、ユニオンHDの中核企業だったユニオン光学(現KYG。従業員64名)は東京地裁から破産決定を受けた。
ユニオン光学側にすれば、富士テクニカルの支援を受け、再建したい思いだったのだろうが、富士テクニカルは破産の断を下したということだ。
そして、兜町界隈で、富士テクニカルの名取社長の責任などを問う「怪文書」(冒頭写真)が登場し、話題になっている。
というのも、前述のように、名取社長がユニオンHDの株買い占めを行ったのは事件後。そんな時期に、なぜあえて渦中の栗を拾ったのかと、横浜被告との関係についても触れている。