警視庁捜査2課が6月16日、経営破たんした商工ローン大手「SFCG」(東京都中央区)の大島健伸元会長(62)ら4名を詐欺再生と特別背任容疑で逮捕したのは本紙でも既報の通り。(冒頭写真=「日経」6月17日記事)
簡単にいえば、民事再生法申請する(認められず)直前、SFCGのかなりの債権を大島ファミリー企業に違法に譲渡する資産隠しを行っていた容疑。これが認められれば、当然、その違法に譲渡された資産はいま破産手続き中のSFCGに戻るから、債権者へ戻って来る債権が増えるのは間違いない。
これだけ聞けば、債権回収が進み、裁かれるべき者が裁かれれば何とも結構なことだ。
しかし、では、中小零細業者への主に過払い金の債権が戻って来るかというと、これはまったくというほど期待できない。
なぜなら、金融機関の大口債権が圧倒的に多いからだ。
破産管財人によると、この3月時点で確定しているSFCGの負債総額は約2900億円。その内、過払い利息の返還請求は2万5809件で総額622億834万円だという。
これに対し、3月までに回収できた資産はわずか60億円に過ぎない。
仮に今回、容疑に問われているファミリー企業「白虎」への資産隠し額約420億円がそっくりSFCGに戻って来たとしよう。