アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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国立がんセンターVS読売新聞 がん早期発見のPET検査記事を巡って

本日夕方、国立がんセンターは自身のHP上に、「新聞記事への見解」なるものを掲載している。 その内容が尋常ではない。 読売新聞を名指しで、「事前に記事を見せると約束していたのに見せなかった。そして、否定的な記事を構成している」、「中間報告に過ぎないのに、そのことを説明しないで載せた」、「内部調査と、いかにも秘匿していたデータのような取上げ方をしている」旨、書きつらね、「受診者の皆様、患者の方々、PETに関っておられる医療関係者の方々等多方面にわたりご迷惑をおかけした」と断じているのだ。 これ、読売新聞がこの3月3日夕刊で掲載した「PETがん検診に『?』85%見抜けず」なるタイトル記事を指す。PET検査は、近年、がん検診にひじょうに有効として急速に普及して来ている。ただ、装置がひじょうに高額である上、検診の用途は保険外のため、1回の検診で最低10万円はかかる。ところがそれにも拘わらず、既存の超音波やCT等を使った検査に比べてがんの発見率がわずか15%余りにすぎないことが、国立がんセンターの「がん予防・検診研究センター」で診た約3000名の結果でわかったという内容だ。 既存検査で85%は見つかるなら、10万円以上もかけてPET検査をやる必要などない、また、これまでこの方法で検査してもらった者からは、検査実施病院や医者に文句の声が出ても不思議ではない。そのため、データを出したとされる国立がんセンターに、PET関連業界から抗議の声が上がり、あわてて国立がんセンターは「見解」を出したということか。 だが、記事である程度、センセーショナルな取り上げ方をするのはやむを得ないし、PET検査の利権とは無縁な医療専門家によれば、「想定内の数字。驚くに値しない。許容範囲内の記事」という。では、なぜ国立がんセンターはこんな「見解」を出したのか。実際、読売サイドからは「記事をチェックさせる約束などしていない」といった声も聞こえて来ている……。…

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