アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「企画」のつもりが「手配」旅行ーー悪徳旅行会社の巧妙手口にご注意

 乗客乗員15名が死亡した長野県軽井沢町のバス事故ーー運転手も死亡したいま解明は難しいかも知れないが、予定の高速ではなく一般道を走っていて事故を起した疑問に関しては、このスキーツアーを企画した旅行会社がより利益を出すために高速を走らないように指示していたのでは、との見方も出ている。いずれにしろ、国の基準を下回る価格でバス会社に発注していたりと問題旅行会社だ。
今回事故は旅行会社の“闇”の部分も浮かび上がらせているが、そんななか、本紙に悪徳旅行会社に関する告発があったので報告する。
読者の方は、旅行の契約形態は大きく「企画旅行」と「手配旅行」に分かれており、例えば事故になった場合の旅行会社の補償内容などに大きな差があることをご存知だろうか。
 企画旅行はさらに「募集型」(いわゆるパッケージツアー)、「受注型」(いわゆるオーダーメイドツアー)に分かれるが、万一、事故に会った場合、どちらも旅行会社が補償してくれる。海外旅行で死亡の場合、2500万円といった具合。その他、例えば故障で予定の飛行機が飛ばなくなっても別便を手配するなど、旅行会社は可能な限り計画通りのサービスを受けれるように務めなければならない。ところが、手配旅行の場合は、旅行会社は個人的旅行の手配の代理をするに過ぎず、したがって事故時の補償も、計画通りのサービス履行を務める義務などもない。
まさに天と地ほどの差がある。
ところが、ネット上ではパッケージツアーと銘打って客を募りながら、実際は手配旅行という詐欺紛いといってもいい悪質旅行会社(海外旅行専門)があるという。
ネットのトップ画面では「ツアー」と出ているが、個別のツアーの詳細内容のところに飛ぶと「手配」と出ている。しかし、一般客は頭のパッケージツアーを見て応募しているし、旅行業に関する知識に乏しいからそれになかなか気づかないのが狙い目。もっとも、旅行業法では取引条件の丁寧な説明が義務つけられており、こんな騙しのようなことは同法にモロに引っかかるだろう。
というより、これでは余りに露骨過ぎて詐欺といわれても申し開きできないと思ったのか、客がオトリ広告を見て連絡して来ると、「あいにく満席になっています。しかし、それに近い旅行が提案できます」といって、よく説明しないまま「手配」旅行に切り替えているという。
「そもそも、『手配』は広告を出せないというか、個人旅行ですから広告を出す必要性がない。それもあり、“満席”といい誘導しているんです」(告発者)
この悪徳旅行会社(以下に社名掲載)、こんな騙しの手口を使っているのは、単に補償義務などを免れるためではない。

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