アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ズサンな口座管理を裁判所が認定ーー甲府信金の疑惑深まる

まったく呆れた銀行と言わざるを得ない。 また、甲府信用金庫のズサンな実態が訴訟を通じて明らかになった。 甲府地裁は2月28日、原告の主張を認め、甲府信金に2400万円の支払いを命じた。 原告は実兄が交通事故で死亡したことにより、保険金4850万円を受け取るはずだった。 ところが、義兄が原告に無断で原告名義の口座を開設。そして、そこに振り込まれたこの保険金を知り合いの女性に引き下ろさせ、すべて着服してしまったのだ。 この口座開設をした際、この申込み票には原告の性別、氏名のふりがな、生年月日も記入されてなかったという。ところが、義兄が窓口の担当者に威圧的態度を取ったことから、記載不備について何ら要求せず、本人確認をしなかった。知り合いの女性が引き出した際にも、同じく本人確認を怠り、義兄の「不法行為に加担した」と認定した。 もっとも、原告・被告どちらにも立たず客観的に判断することを建前としながらも、実際には、最初から銀行側=“善”、相手側を偏見の目で見ている世間知らずの裁判官のこと、バランスを取るためか(?)、実兄を亡くしたショックから義兄に全面的に示談交渉を任していた過失があるとして、請求額の半額の支払いしか認めなかった。 とはいえ、この甲府信金、05年10月には、顧客の銀行口座を勝手に停止し、そのため、その会社に振り込まれる予定だった資金を第3者に横領されることに、やはり加担したかっこうになっていることが判明している。 こうした全国でも例を見ないズサンな口座管理を始めとする同行の体質を思えば、不良債権を作った顧客と銀行側が共謀し、顧客の知り合いの資産家に秘かに融資を行い(顧客が言葉巧みに資産家の印鑑を預かったり、別件名目で署名させる)、それを共謀した顧客が黙って引き出し、不良債権を穴埋め。資産家からは返済遅滞したとして(返済を受けたことを知らないから、当然、遅滞する)、期限の利益の喪失を原因に一括返済を迫り、競売などで同じく回収ーーこの究極の不良債権処理を、本当にやりかねないと思ってしまう。 こちらの訴訟の行方も、なおさら注目される。…

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