●6社中4社は未だ新たな監査法人引き受けは未定 ライブドアの粉飾決算を見抜けなかったとして、同社の監査を担当していた「港陽監査法人」(横浜市)については現在、日本公認会計士協会が調査を行っている他、金融庁傘下の公認会計士・監査審査会も当時、監査を担当していた同監査法人の担当公認会計士の調査を行っている。 最悪、監査法人の全部業務停止・解散という事態も考えられないわけでもなく、港陽監査法人に監査してもらっていた上場企業は、速やかに別の監査法人に乗り換えたいというのが本音だろう。、 ライブドア事件前まで、同監査法人が監査を担当していた上場企業は、以下の9社。 ?ビービーネット、?エイジア、?インタートレード、?ターボリナックス、?ドリームインキュベータ、?エフェクター細胞研究所、?ライブドア、?ライブドアマーケティング、?京三製作所。 その後、??はすでに別の大手監査法人に変更した。 また、ライブドアグループの?(東京北斗監査法人)、?(霞友監査法人)も2月中に変更すると公表している。 ところが、ライブドアを除く残りの4社は少なくとも昨日現在、HP上での変更の報告はされていない。 ●ドリームインキュベータは、なぜ、他の監査法人が未だ決まらないのか こうしたなか、未だ新たな監査法人が決まらないなかで、もっとも注目を集めているのは、マスコミでもお馴染み、堀紘一氏が設立・上場させた「ドリームインキュベータ」だ。 何しろ、社外取締役にはあの田原総一朗氏(評論家、ジャーナリスト)、特別顧問には宮内義彦氏(オリックス取締役兼代表執行役会長グループCEO)と、この間、ライブドアを持ち上げたり、ライブドアを始めとする六本木ヒルズ族の“支援者”もいるだけになおさらだ。 本紙既報のように、堀氏は今回の件は自分は被害者と言わんばかり。 だが、堀氏の周囲の声は決して同情論ばかりではない。 ドリームインキュベータはライブドアの役員が転じていた「アイ・シー・エフ」を支援し、同社から役員まで派遣していた。堀氏の懐刀ともいわれる古谷昇氏がその人だ(現在は主要株主)。 また、同社上場時(マザーズ)には上場延期になったこともある。 「この会社はベンチャー投資が主な業務だが、その手法などはライブドアに似ている部分がある。さらに、マザーズからイキナリ東証1部に上場と、その会社規模の割には異例のことで、そこに不信感を持って、他の監査法人の腰が引けている面もある。 そもそも、今回の堀氏の別の監査法人が見つからないと記者会見を開き、被害者だと言い立てる過剰としか思えない反応は、懇意な与謝野馨金融担当相の人脈を通じて、港陽監査法人に相当厳しい処分が下ることを察してのことではないのかとの観測も流れているほどですからね」(全国紙経済部記者) なお、同じく粉飾決算が判明したカネボウを担当していた大手の中央青山監査法人に対しても、近く金融庁はそれなりの処分を下す模様だ。…