本紙既報のように、いよいよ最後かつ地上げ対象地の中心にある「鎌田」氏の2箇所も、香港の不動産投資会社PAG側が、ゴールドマンサックス(GS)と組んで所有権移転し地上げ完了が間近な南青山三丁目の地上げ物件ーーここに来て、このように一挙に整理が進んだのは、実は一連の関係者の背後に房園博行氏(冒頭写真)がいるからでは、との見方が事情通の間で出ている。
房園氏といえば、広島市南区で90年5月、わずか4人の仲間と分譲マンションの企画・販売会社「アーバンコーポレイション」を設立。それからわずか12年ほどで同社を東証1部上場に。そして資本金約190億円、売上高(連結)約2500億円、従業員約1500人の会社に成長させた才ある若手実業家として持てはやされていた。90年代半ばの時点で、すでに将来を見据えて不動産販売におけるインターネット営業を模索していたともいい、房園氏のその経営手腕を惜しむ声はいまも少なくない。
というのも、周知にように08年8月、アーバンは民事再生手続き申立する事態(負債総額は約2558億円)に。
破綻の原因は、融資先だったパリバ銀やメリルリンチからのTOBの失敗もさることながら、金融機関の信頼を裏切った最大の原因は反社会的勢力との関わりを指摘されてのことといわれる。
その房園氏が、アーバンが上場廃止になって8年近くの今日、南青山三丁目の地上げの仕掛け人といわれても当初は俄かに信じられなかった。
しかし、本紙ですでに指摘しているように、「鎌田」氏の青山通りに面した土地の方に建つ5階建てビル(上写真)のかつての所有者「R」、「B」の資金元はその房園氏と見られる。