「日本バリアント事件」をご記憶だろうか。
1989年から92年ごろにかけ、電子部品販売会社「日本バリアント」(東京都中央区)の未公開株を、“2、3年後に必ず上場する”として70億円以上販売した巨額詐欺事件だ。(冒頭写真=逮捕時の「日経」記事。95年1月15日)
手口は、わずか数億円の売上しかないのにその数十倍の売上があるように粉飾決算。また、同社役員には大手商社役員、監査役には元弁護士会会長などを就任させる。さらに、10数名の国会議員を宴席に招いてそのビデオをPRに使用。
その上で、証券会社幹部に手数料を払って営業を優先的に依頼するなどの方法で乱売した。
結果、東京地裁では「大胆極まりない犯行で、極めて悪質」、高裁でも、「詐欺の故意を認める外形的事実は多数存在している」と断罪され、98年9月、主犯の懲役4?5年の実刑判決が確定。彼らは服役している。
ところが反省するどころか、その主犯の一人はまた同様の手口で未公開株を販売、一方で、事業拡大のためと称して投資を請うなどしているとして、すでに「被害者の会」が設立、近く糾弾などの活動を始めることがわかった。
日本バリアント事件では、「ベルギーで宇宙衛星の製作を受注した」などという実態のない海外事業に関する説明資料を投資家に配っていたが、今回の“エサ”は、こうした宇宙の開発に関わることだという。
むろん、今回のこの「宇宙○○」なる会社(上写真=会社入り口に掲げられた米国とロシアの国旗)の代表者の対外向け履歴には、日本バリアント事件での主犯の過去は入っていない。
だが、その主犯と、「宇宙○○」の代表が同姓同名などではなく、同一人物であることは間違いない。
というのは、