■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は22,903円と、先週比350円のプラスで引けた。ただその夜には、仮想通貨・ビットコインが、一時28.7%もの大暴落から(下左写真)―――の、大反発を遂げるなど(※その後値下がり基調)リーマンショック級の大波乱があったにもかかわらず、株式市場は終始平穏を保っており、土曜朝の日経平均CFDは22,889円と堅調に帰ってきた。仮想通貨などは、株式市場と直接のリンクはないものの、ヘッジファンドなどによる便乗売り仕掛けが入ってもおかしくない相場展開だったことを考えると、年末までの株式市場に波乱が起こらないことを予見する動きだったように思える。それにしてもビットコインは先物市場ができたことで、投資初心者を狩りとるような空売りの動きがでやすく、とてもではないが安定して資産形成ができる市場とは思えない…。
さて海外動向をみると、トランプ大統領が22日、念願となる「税制改革法案」と、来年1月中旬までとする「つなぎ予算案」に署名した。大統領の満面の笑みつきで流れたニュース速報も、市場ではとくにサプライズではないことは明白で、事前に完全に織り込み済みだったことから、その後の株式市場がセルザファクトの動きとはならず平静に消化できたことは、年内、年明け以降の株式相場にとっては大きいだろう。ここからは、来年1月30日にトランプ大統領の一般教書演説が控えており、この中で大型インフラ投資(※宇宙開発がでてくる可能性あり)政策の骨子を発表することから、ここまでは相場は崩れず、先取りするような強含みの相場展開をメインに考えてよいと思う。
さて、今年最後となる、今週(年末まで)のストラテジーに移りたい。例年年末は、掉尾の一振となることは周知された事実。そこで過去10年間の、最終5営業日(1週間)の値上がり率を調べてみると、(1)日経平均株価は7勝3敗(2)マザーズ指数は9勝1敗とやはり強い。そしてもっと強いのが(3)東証2部と、ジャスダック。なんと全勝である。気持ち…大納会となる29日(金)だけは弱い傾向にあるので、年をまたぐ気がないポジションを保有する読者諸兄は、28日(木)までの売却がセオリーである、といっておきたい。今週も波乱が起こる可能性は低く、堅調地合いが続くだろう。
波乱があった場合は、北朝鮮問題が絡む可能性が高い。23日(土)に、国連安全保障理事会は北朝鮮に対する追加決議を中国・ロシア含む全会一致で採択した。安保理の北朝鮮決議は10回目であり、いまだこれを受けて大きな反応を示さない北朝鮮の出方が気になる。核実験だけは止めてほしいところではある…。
通常の波乱であれば、下値めどは、先週生まれた12月SQ値である22,591円。また25日移動線が22,653円であることから、22,600円ラインを終値で下回った場合は、ヘッジポジションが必要不可欠になると考えている。