準大手ゼネコンが建設した大規模マンションで、地震の揺れを遮断する「構造スリット」がかなりの割合欠落している問題が浮上。ところが、それからすでに丸1年が経過しているにも拘わらずこの準大手ゼネコンは具体的な対策を打ち出さないばかりか、謝罪もしないことから、住民で構成する管理組合は痺れを切らしマスコミに打診。近く大きく記事が出る可能性も。
構造スリットとは、壁や柱のはりなどの間に設ける隙間で、幅2・5から5センチ程度。隙間にはポリウレタンなどの緩衝材を詰める。柱と接続する部分の壁に溝をつくる工法もある。
今年3月、名古屋市内の7階建て分譲マンション(128戸)でこの構造スリットが約2割欠落、6割に不備と「中日新聞」が報じた(冒頭写真)件では、同マンションを施行した「安藤ハザマ」(1719。東証1部。東京都港区)の株価が3月28日、8・9%低下。東証1部の下落率ランキングで第2位になったこともあった。補修工事を含むコスト負担増が収益の足を引っ張りかねないとの見方が株式マーケットに広がったためだ。